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ドールの素材について |
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ドールの素材は過去からいろいろありました。ハルミのウレタン、オリエントの初期はゴム(ラテックス)、ソフトビニール(ソフビ)、そして現在主流
なのがシリコンです。 シリコンドールには大きく分けて2タイプのシリコンがあります。
リアルドール、LEVEL-Dで使われている縮合タイプ、オリエント他が使用している付加タイプです。
・付加タイプとは:
加熱することで硬化するシリコンで縮合に比べて量産向きです。丈夫ですが、縮合に比べると硬さがあり、反発感が弱いです。
・縮合タイプとは:
空気中の湿気と反応して硬化するシリコンです。そのため、作業環境を常に一定に保つ必要があります。硬化時間も付加に比べると
長く量産には不向きです。ですが付加より弾力があり、ドール素材としては感触がよいものの付加に比べて裂けやすい難点があります。
最近、柔らかさを保ちつつ、丈夫な縮合タイプも出てきました。
補修に使うシーラントは縮合です。そのため冬の時期は硬化に時間がかかります。
最近、登場したTROTTLAやドリームで用いられている素材:
・エラストマー:
加熱して溶けた材料を型に流すことにより成型するタイプです。一般的には射出成型します。例として分かり易い製品は、
最近のシャープペンやボールペンのグリップ部に用いられている柔らかくて少し粘着感のあるものが、それです。
シリコンとの相性はよくありません。エラストマー製のホールを長時間、シリコンドールに装着したままにしますとシリコンが変形または溶けます。
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どのドールが全身シリコンドール? |
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2012.09.24時点でのドール情報です。
メーカー(正式名称) |
ドール名称 |
abyss creations |
リアルドール |
オリエント工業 |
キャンディーガールジュエル、プチジュエル、プチジュエルF、アンジェ |
RUBBERSKIN |
JP dolls(販売中止) |
HoneyDolls |
honey body、teen body ヘッドの一部にjp dollのものあり |
4woods |
A.I.doll evolution、A.I.NEO、A.I.NEOim、A.I.NEOj im、A.I.doll S+ |
LEVEL-D |
固有名称なし。シリコンドールのみ販売中。 |
ドールズコート |
販売中止 |
ユニゾン |
スーパードール |
make pure |
pure dolls、pure dolls”mini” |
ライフドール |
リアル愛、キュート愛、ピュア愛ボディ、トルソ |
silicone art |
各サイズ(胸)ボディ、トルソ |
arte tokio |
132cm、161cmドール |
apricot |
pico130 |
シリコンではない全身柔らかいドール(エラストマー製)
メーカー(正式名称) |
ドール名称 |
ショップアレイ(ドリーム) |
Medi Doll(パーフェクトイブ) |
TROTTLA |
RBA-609 |
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股間部って裂けやすい? |
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シリコンドールの股間部はどうしても負荷がかかりやすい部分です。特に下記の図のように上部に力がかかりやすく、そのため裂けやすいと
言えます。
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ピストン運動は前後だけでなく斜め上前方にも影響を与えます。
そのため、股間部口の上側の角度が鋭角になっている部分に負担がかかり裂けやすくなります。 |
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股間部の補強について |
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図1 |
図2 |
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図1:
オリエント他の市販ホール使用可のドールの股間部
です。図の水色の部分にシーラントを塗ります。
あるいは包帯などの目のやや粗い生地をシリコンシー
ラントで接着します。
図では上部だけですが下部も行うとよいでしょう。
シーラントは、あまり厚くぬりますとホールが入りづらく
なるので注意して下さい。
図2:
ユニゾンドールのホール内部は図1よりも広くなってい
ます。図1よりも少々、厚めに塗って下さい。上下とも
塗ることをお奨めします。
また図1、図2ともに上下に補強をする場合はシーラント
が垂れる可能性がありますので、まずは下側を処理して
完全に固まってからうつ伏せにし、処理を行って下さい。 |
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シリコンのブリードについて |
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シリコン製のドールは時間が経つと表面にオイルが染み出て来ます。それをブリード(bleed)と言います。
これによってシリコンは経年劣化します。特に影響があるのは伸び率(引張り強度)が落ちることで裂けやすくなります。
abyss社では10年で数%くらいとしています。 ブリードしたオイルは埃等が付きやすく、特に床に付着すると滑りやすく危険です。
定期的に風呂等で石鹸や薄めた中性洗剤で洗って下さい。あまり長期的に落とさないでいると粘性の強いオイルになり、
落としにくくなります。 |
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シリコンドールの色移りついて |
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シリコン製のドールは染色された衣料品等の染料が溶けて色移りすることがあります。
そして洗っても取れなくなってしまいます。
シリコンドールの保管は裸がベストですが埃も付きやすいので染色されていない衣料品が適しています。
タオル生地ならばオイルも吸い易いので、バスローブ等がよいでしょう。 |
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シリコンとの相性ついて |
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シリコンとソフビの相性:
シリコン製のドールは時間が経つと表面にオイルが染み出て来ますが、このオイルが付いた手でソフビ(ソフトビニール)製品を触ると
オイルの影響でソフビが変形しますので注意が必要です。
シリコンとエラストマーの相性:
エラストマーが負けます。ただれたようになります。ホールや一部のドールにエラストマーが使われたものがあります。
エラストマーが使われたボディにシリコンのヘッドを載せると首回り付近がただれますので気をつけましょう。 |
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リペアついて |
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1.シリコン用瞬間接着剤
シリコンを接着することが出来る瞬間接着剤が発売されておりますが、使用には注意が必要です。
瞬間接着剤が固まると硬くなりますので、負荷のかかる部分(股間、関節付近等)には使用しない方が
よいでしょう。硬くなった部分は当然、伸縮性がありませんので負荷がかかるとその周辺からまた裂けが出来てしまいます。
使用されない方が賢明かと思われます。
2.補修キットについて(シリコンドール)
補修キットには一般的にシリコンシーラントと顔料が付属してきます。
シーラントに顔料を混ぜて使いますが、混ぜる時に顔料が多いと結果的にシーラントの接着力が弱くなります。
シーラント1-2cmに対して爪楊枝の先にほんの少し顔料を付けて混ぜます。そのくらいでもボディに近い色になります。
薄いかなと思うくらいがよいでしょう。接着部と比べながら、本当に少しずつ混ぜて調整をしましょう。
3.補修
まずは接着面をきれい(汚れ、シリコンオイル除去)にします。きれいにするにはアセトンやヘキサンを持ちますが
双方とも劇薬ですので取り扱い(手袋、換気等)は十分に気を付けましょう。(薬局で売っています。)
裂けが深い場合は奥の方はシーラントをそのまま使用して接着し、表皮近くに顔料を混ぜたものを使いましょう。
補修表面をきれい(平ら)にするには、シーラントの上にラップをのせて指で軽く慣らすようにするとよいでしょう。
ラップはシリコンにくっつかないので乾いてから剥がします。当方の経験ではティッシュペーパーの箱上部のビニールが
そこそこの厚みと硬さがあり平らにしやすいです。また、クリヤーホルダーを使うのも手です。必要な大きさに切ってシリコン
の上に載せてラップ等で巻き、固定します。(クリヤーホルダーは硬いので、そのままでは剥がれます)
(上記は一例です。保障するものではありません) |
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